
Bruce Hornsby & The Range / The Way It Is
美しいピアノが映し出す、アメリカの“現実”と“希望”の二重奏。
1986年にリリースされたBruce Hornsby & The Rangeの代表曲、The Way It Isのレコメンド。
The Way It Isは、ピアノ Popの名曲でありながら、アメリカ社会の影を映した異色のナンバーです。
30歳で掴んだ成功、時代を象徴するデビュー作
Bruce Hornsbyは、長年セッション・プレイヤーとして活動した後、
30歳で自身のバンドを結成…本作はデビュー・アルバム、The Way It Isからの2ndシングルとしてリリースされ、全米チャートNo.1を獲得。
Bruce Hornsbyの名を一躍世界に知らしめた出世作です。
イントロの一音で、心を掴むピアノ
イントロのピアノのフレーズが流れた瞬間に、誰もが息を呑むでしょう…
そのメロディは、まるで風が頬を撫でるように清らかで、ストレートに心へ届く。
美しさの奥に潜む、強いメッセージ
しかし、その美しさの裏には、アメリカ社会の不平等や人種差別、貧困の現実が描かれているという、強いメッセージが潜んでいます。
変わらない現実と、変えようとする意志
リリックでは、Martin Luther King牧師のスピリットを引き継ぐように、社会の「変わらなさ」と、「変えていく意志」を、対比的に表現していますね。
説教にならない、詩的な社会批評
この曲の魅力は、そうした社会的テーマを、説教的ではなく、あくまで柔らかく、詩的に伝えるトコロにあります。
洗練されたアンサンブルとJazzの香り
澄んだピアノの旋律と爽やかなヴォーカル、そしてシンセベースとドラムが織り成す優美なサウンドが、聴く者を包み込みながら、静かな力強さを放つ。
中盤のブリッジでは、ピアノのアドリブが光り、Jazz的なニュアンスが漂うパートも、メチャ良いですね。
ラジオとMTVが生んだ共感
当時のラジオやMTVでは、この曲がヘビーローテーションされ、Bruce Hornsbyのピアノ・プレイは、瞬く間に多くのリスナーを魅了するコトになりました。
Popであり、アートでもある楽曲
派手なギミックに頼らず、メロディとメッセージだけで勝負したこの楽曲は、Popsでありながら、「アート」の領域に達しているとも言えますね。
HipHopへと受け継がれた旋律
その後、このThe Way It Isは、多くのアーティストにインスピレーションを与えるコトとなりました。
特に、2Pac / Changes や、E-40 / Things’ll Never Change は、この曲のメロディをサンプリングし、再び「社会を変える」というテーマを、HipHopの文脈で蘇らせている…美しい旋律の下に息づく「反骨の精神」こそが、長く愛され続ける理由だろう。
ピアノが語り出す、社会への祈り
針を落とせば、まるで時が止まったような静けさとともに、ピアノが語り出す。――「That’s just the way it is, some things will never change.」現実を見つめながらも、どこかに希望をカンジさせるそのフレーズが、今も胸を打つ…社会への祈りをピアノに託した、永遠の名曲。
1986リリース