Chubb Rock / I’m Too Much (Sax Instrumental) - 夜の都会に溶けるスモーキーなSax Inst

Chubb Rock / I’m Too Much (Sax Instrumental)

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B面に潜んだ異様な完成度

夜の都会に溶けるスモーキーなSax、抜き美学が極まる名Inst。90s US HipHopのド真ん中で確かな存在感を放っていた巨漢ラッパーChubb Rock…彼の4thアルバムI Gotta Get Mine Yo! (Book Of Rhymes)からカットされたI’m Too Muchは、ラフで力強いラップが映えるストリート感覚あふれる1曲だが、今回あえて光を当てたいのは、そのB面にひっそりと、しかし異様なまでの完成度で収録されたI’m Too Much (Hands On The Sax Instrumental)です。シングルの裏側に潜ませるにはあまりにも出来すぎているこのトラックは、当時のNY HipHopシーンに漂っていたJazzyかつアーバンな空気を、そのまま溝に封じ込めたような存在感を放っています。


スモーキーなSaxと引き算のグルーヴ

針を落とした瞬間、まず耳を奪われるのはスモーキーで色気のあるJazzサックスのループ…古いJazzから切り取られたと思しきフレーズがドープなビートの上をゆったりと漂い、夜の都市風景をイッキに立ち上げる。重すぎず軽すぎないキックとスナップの効いたスネア、その間を縫うようにうねるベースライン、音数は決して多くないが空間の「間」を活かした構成が、このトラックをただのインスト以上の存在へと引き上げているのは確実ですね。Remixを手がけたのは90s HipHop黄金期を裏で支え続けた名匠DJ Clark Kent。当時ファンキーなネタを重ねた分厚いビートが主流だった中で、ここまでクールでアーバンな音像を提示したセンスは特筆モノっ!主張しすぎないドラムの質感、旋律を邪魔しないミックスバランス…その「引き算」の美学こそが今聴いてもまったく古さを感じさせない理由でしょうね。


90s NYの空気を支配する名Inst

インストゥルメンタルながら要所に差し込まれるChubb Rockのフロウがトラックに人肌の温度を与えているのも見逃せません。リリックのメッセージである「自分はToo Much=簡単には収まらない存在だ」という自己肯定の感覚が、コトバを削ぎ落としたこのインストでも音の佇まいとしてシッカリ伝わってくる。92年当時クラブでは即効性のあるラップ・チューンが求められていた一方で、ラジオやDJの繋ぎにはこうしたJazzyで奥行きのあるインストが重宝されていました。本作はまさにその理想形ともいえるサウンドで、曲と曲の「間」を支配しフロアの空気を一段階深いトコロへ連れていくパワーを持っています。夜のドライブ、ラウンジセット、あるいは90s HipHopの流れを組み立てるプレイに使える1枚。ハデさではなく渋さで唸らせる…そんなレコードを探しているなら、このB面インストは確実に刺さるハズっ!

 

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