
Imagination / Instinctual Remix
UK FunkとNYアンダーグラウンドが交差した瞬間
UK FunkがNYアンダーグラウンドと交差し、本能を刺激するHouse Remix。1987年、UKを代表するBrit Funkバンド Imagination が放った Instinctual のレコメンドです。本作は彼らの5枚目のアルバム Closer からのシングル・カットでありながら、US盤12インチシングルに収録された Def Mix によって、まったく異なる表情を獲得した1枚となっています。Just An IllusionやBody Talkといった洗練されたFunk/Soulで名を馳せたImaginationが、USで胎動し始めていたHouseムーブメントの核心へ、いち早く足を踏み入れた瞬間がココに刻まれています。
UK的ゴージャスさからの大胆な変貌
オリジナル・ヴァージョンの Instinctual は、弾むビートと華やかなアレンジが心地よい、いかにも80年代後半のUKらしいゴージャスなFunkチューン…しかし、この12インチの真骨頂は、若き David Morales が手がけた Instinctual (Dave Morales Mix) (Def Vocal Mix) にあります。イントロから立ち上がるのは、煌びやかな装飾をバッサリと削ぎ落とした、タフでストイックなビートで、キックは重く、ベースはバウンシーにうねり、NYクラブ・シーン特有の湿度と緊張感がイッキにフロアを支配します。
ダブ処理が描き出すディープな夜の表情
ブレイクでは、原曲のメロディが断片的に顔を出しつつ、空間を切り裂くようなダブ処理が施され、ディープでダークな世界観がさらに強調されています。この剥き出しのグルーヴの上に重なるのが、Imaginationの象徴でもあるLeee Johnの甘美なファルセットで、理性と本能のあいだを揺れ動くようなヴォーカルが、タイトル通り Instinctual(本能的)な欲望や衝動を描き出し、フロアに官能的な熱を注ぎ込んでいます。
Josh Milan参加が示す未来への接続点
キーボードには、のちにBlazeとして活躍する Josh Milan が参加しており、控えめながらも効果的なコードワークが、UK的な洗練とNYアンダーグラウンドな雰囲気を美しく橋渡ししています。DiscoからHouseへと時代のバトンが手渡される過渡期、その空気感をそのまま真空パックしたようなサウンドは、当時のクラブDJたちにとっても刺激的だったハズです。
12インチでこそ味わえる官能と説得力
リリックは、理屈では抗えない衝動や惹かれ合う感情をテーマにしたシンプルなものですが、このDef Mixでは、そのメッセージがより肉体的に響いていますね。ラジオ・ヒットというより、明け方のフロアでじわじわと効いてくるタイプのサウンドであり、現代のDeep HouseやGarage好きにも確実に刺さる質感です。UK Funkの美学とNY Houseの原初的なビートが交差した歴史的瞬間を体感できる1枚であり、針を落とした瞬間、1987年のNYの夜へと引き込まれる…そんな体験を約束してくれる12インチならではの名Remixです。













