Kenlou V / Thru The Skies - 浮遊感と緊張感が共存!MAWだけが到達できる天空系Deep Groove

Kenlou V / Thru The Skies

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浮遊感と緊張感が共存する、MAWだけが到達できる天空系Deep Groove…US Deep House史の中でも特別な存在感を放つ1枚が、今回レコメンドする Kenlou V / Thru The Skies です。Masters At Workによるプロジェクト Kenlou は、メイン名義では挑みきれない実験性とクラブ現場の野性味を封じ込めたシリーズとして知られており、本作はその第5作目にあたる重要タイトルとなります。


空へと引き上げられるイントロの魔力

針を落とした瞬間に広がるのは、空に吸い込まれるようなエレガントなシンセパッド。その浮遊感の奥でパーカッションが幾重にも重なり、重力を忘れさせるホド滑らかにグルーヴが立ち上がってくる。この立体的なリズム構築こそ、MAWならではの真骨頂っ!特にブロークン気味に設計されたビート・パターンは、Nuyorican Soul / The Nervous Track を想起させる革新性を持ち、当時のNYアンダーグラウンド・シーンに強烈なインパクトを残しました。


Terry Burrusの鍵盤が生む推進力

その上を縦横無尽に飛び回るのが Terry Burrus のキーボード。アグレッシヴで表情豊かなフレーズは、曲全体の高揚感を支えるメインエンジンのような存在で、17分を超えるロングトラックの中でも一瞬たりとも緊張感を手放さない。インストゥルメンタルでありながら、まるで天空を駆け抜ける旅を体験しているかのようなストーリー性を感じさせるのは、この鍵盤の語り口があってこそでしょうね。


ロングセットを導くドラマティックな構成

構成は非常にドラマティックで、イントロで静かに空気を整え、ミドルではビートとパーカッションが幾何学的に絡み合い、終盤に向かってシンセが大きく開けていく。いわゆるピークトラックというより、ロングセットの中盤から終盤にかけてフロアをじわじわ引き上げるための上質な導線を描くタイプのトラックとして、当時のNY/UKのDJたちから高い支持を集めました。


MAW全盛期の精神性を映すインストゥルメンタル

ヴォーカルは一切なく完全インストながら、タイトル Thru The Skies が示すように、この曲には境界を超えて広がる意識や解放感といったスピリチュアルなメッセージが感じられます。Nuyorican Soulが同時期に提示していた、音楽を文化と精神の両面で拡張するというムードにも通じ、まさにMAW全盛期の空気を象徴する作品と言えるでしょう。


ジャンルを越境するKenlouプロジェクトの真価

Deep Houseはもちろん、Broken Beat、Nu Jazz、さらにはテクノ寄りのミニマルセットにまで自然に溶け込むクロスオーバー性も、このトラックの大きな魅力。17分という時間の中で、音が景色となり、景色がストーリーへと変わっていく…そんな贅沢な体験を味わえるインスト12インチはそう多くありません。アナログならではの太い低域と空間表現を体感した瞬間、「あぁ、コレはレコードで持っておきたい1枚だ」と確信するハズっ!

 

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