Tyrone Brunson / The Smurf - ElectroとFunkが交差した瞬間を封じ込めたダンスフロア直撃のナンバー

Tyrone Brunson / The Smurf

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ElectroとFunkが交差した82年フロアの決定的瞬間

ワシントンD.C.のFunkバンドで腕を磨いたのちソロへと転じたTyrone Brunsonが、自身の名をシーンに刻み込んだ決定的ナンバーがこの The Smurf です。アーティスト名以上に曲名が独り歩きしたと言われるホド、1982年当時のClub/Discoシーンにおいて圧倒的な存在感を放ったインストゥルメンタル・ナンバーであり、ElectroとFunkがフロアで真正面から結びついた象徴的な1曲と言えます。グラフィティ・アーティストFutura 2000がアートワークを手がけたデビュー作 Sticky Situation からのシングルカットという点も、当時のストリート・カルチャーとの密接な関係性を雄弁に物語っていますね。


無機質なビートと肉体的グルーヴの完璧な融合

聴いた瞬間、きらめくシンセサイザーが空間を切り裂くように立ち上がり、タイトでムダのないリズムマシーンが床をシッカリと捉える…そこへ重心低く跳ね回るスラップ・ベースが絡みつき、身体が自然と前のめりになるグルーヴを形成していきます。Funkの肉体性と、当時最先端だったElectroの無機質な質感が一切の違和感なく溶け合う瞬間こそが、この曲最大の魅力ですね。イントロから中盤のブレイク、そして再び立ち上がるビートの構成は完全にダンスフロアを想定した設計で、DJ目線で見ても非常に使える1枚と言えるサウンドとなっています。


Tony Humphriesの若き感性が刻んだフロア直結エディット

この12インチを語るうえで欠かせないのが、Remixを手がけたTony Humphriesの存在でしょう。後にNY Houseシーンの要人となる彼が、若き日に施したエディットは、ダブ処理のようなエフェクトや緊張感あるブレイクを巧みに配置し、フロアの高揚感を極限まで引き上げています。ラジオ向けというよりも完全にクラブ仕様…だからこそ、DiscoからElectro、そしてHipHopへと価値観が移行しつつあった過渡期のダンスシーンでスマッシュヒットを記録したワケですね。タイトルの The Smurf は当時ストリート・ダンスで流行していたステップに由来しており、コトバのメッセージ以上に「動き」や「ノリ」を伝える楽曲でもあります。USオリジナル盤で手に入れる意味は、音圧とレンジ感の違いを一聴すれば明らか…現代のフロアでも十分に通用するエネルギーを持った1枚で、Electro Funkの原点を体感したいなら間違いなく押さえておきたい12インチですよ。

 

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