TYZIK / Jammin’ In Manhattan - 冷たいビートにアツいブラスが夜を切り裂くNY発Electro Jazz

TYZIK / Jammin’ In Manhattan

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NYの転換点で生まれたElectro Jazz

冷たいビートにアツいブラスが夜を切り裂くManhattan発アーバンなElectro Jazz。1984年、NYの夜はDiscoからElectroへ、そしてHipHopへと急速に姿を変えつつある渦中、その変化のド真ん中で生まれたのがTYZIK名義によるJammin’ In Manhattanです。12インチシングルというフォーマットが物語る通り、これは単なるリスニング用ではなく、現場を強く意識した1枚となっています。中心人物はトランペット・プレイヤーであり指揮者/作曲家でもあるJeff Tyzik。アカデミックなJazz素養を持ちながら、この楽曲では当時最先端だったElectroサウンドを大胆に導入し、都会的で洗練されたダンス・グルーヴへと昇華させています。


マシンビートとブラスの鋭利な対話

タイトで無機質なドラムマシーンのビートが一定のテンションを保ち、そこにハンドクラップ、弾力のあるシンセベースが絡み合う…イントロの時点でフロアの空気が一段階引き締まる、まさにDJ目線のサウンドに仕上がっています。特筆すべきは冷徹とも言えるマシンビートの上をトランペットが自由に泳ぐように旋律を描いていく点ですね。Chuck Mangioneとの交流で培われた流麗なブラス感覚が、ここではElectroの枠組みの中で存分に発揮され、さらにヴォコーダーが加わるコトでサウンドはイッキに未来的な表情を帯び、JazzとElectoroの境界線を軽々と越えています。前年にリリースされたHerbie Hancock / Rockitの世界的ヒットを受け、踊れるJazzへの注目が高まっていた時代背景の中で、このJammin’ In Manhattanも自然な流れでクラブやラジオへと浸透していきました。


深夜のマンハッタンを駆け抜ける音像

中盤のブレイクではブラス・セクションがキレ味鋭くフレーズを刻み、その背後でシンセが夜景のように流れていく…この展開は深夜のマンハッタンをクルマで流しているかのような映像的イメージを喚起しますね。曲には「街でジャムる=自由に音で会話する」というニュアンスが込められ、技巧を誇示するのではなくグルーヴそのものを楽しむ姿勢が全編に漂っています。12インチシングルならではの音圧と抜けの良さも大きな魅力で、針を落とした瞬間、低域が床を這い、高域のブラスが空間を切り裂く感覚はデジタルでは得難い体験です。Electro、Jazz、Disco、HipHopの狭間に生まれたこの1曲は今聴いても古さを感じさせないアーバン・フュージョンの名演。フロア志向のDJにも音楽的背景を楽しみたいリスナーにも、自信を持っておすすめしたいUSオリジナル12インチシングルです。

 

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