「最近レコードを聴き始めたんです」「初めてレコードを買うんですけど…」なんて、当店にはレコード初心者のお客さんがたくさん来てくださいます。特に週末の土日は、特に数組のレコードビギナーさんと必ずお会いしますね。
そんなフレッシュな皆さんとお話ししていると、「コレって〇〇なんですか?」とか「アレってどうなんですか?」って、ワタシからするとちょっと意外な質問をされるコトがあるんです。
例えば、最近レコードを聴き始めてDJプレイにも興味が出てきた方が、「今持ってるプレーヤー(非ダイレクトドライブ)をもう1台買えば、DJできますか?」なんて聞いてきたり…🤔
あるいは、「小さいレコード(7インチシングルのこと)を聴きたい時は、小さいレコード専用のプレーヤーがいるんですか?」なんて質問も!いや〜、ワタシにはない発想で、本当に新鮮な視点だな〜って感心しちゃいます。✨
以前、「渋谷レコード店日記」ブログでもご紹介しましたが、ターンテーブルのアースケーブルをドコに繋いでいいかわからず、この線が「アース線」だとわかったから、洗濯機が繋がっているコンセントの横にターンテーブルを持って行って接続した、なんて猛者もいましたからね!😂
ご本人はいたって真剣だったようで、笑い話のようなケースなんですけど、その探究心には頭が下がります(笑)。
「溝が擦り切れるまで聴いた」ってどういうこと⁉️
そして先日、またまたユニークな質問が飛び出しました。「レコードって何回も聴くと音が出なくなるんですか?」って。
一瞬、「え、どういうこと⁉️」って耳を疑いました。詳しくお話を聞いてみると、こんなエピソードが。
最近アナログレコードにハマって、レコードライフを満喫している20代の若いお客さんが、会社の上司と趣味の話になったそうなんです。
「最近、レコードにハマっててよく聴いてるんですよ〜🎵」
すると上司の方からこんな一言が。
「あ〜、オレも若い頃は、〇〇のレコードを溝が擦り切れるまで聴いたな〜」
「へ〜、そうなんですかぁ〜!すごいですね!」って、その場は終わったらしいのですが、それからそのお客さん、ずっとモヤモヤしていたそうです。💦
「大好きなレコードが聴けなくなるのは嫌だけど、聴くのを我慢するのも本末転倒だし…🤔 でも、お気に入りのレコードはもう何回も聴いてるけど、今のところ普通に再生できてるし、一体レコードって何回くらい聴けるんだろう…?」
いや〜、ワタシからすると「え、そんなこと思うの!?」って、まさに目からウロコというか、新鮮な視点なんですけど…いやいや、「ブログのネタをご提供いただき、ありがとうございますっ!🙏」って感じですよ(笑)。
中古レコード店が断言!「擦り切れたレコード」は存在しない⁉️
では、いよいよ本題です。「レコードは、何回も聴くと音溝が擦り切れるのか?」
当店は今年で営業25年目。これまでに何十万枚ものレコードを販売してきました。販売した分だけでもすごい数ですが、買い付けや査定で必ず検盤をするので、チェックした枚数まで含めると、もう数百万枚の膨大なレコードを手にしてきました。
中古レコード店を経営していると、普通の人では見たことのない枚数のレコードをチェックする機会があるんですが…
「なんだこのレコード、聴かれまくって音溝がないじゃん!」なんてレコード、実際に見たことありません! キッパリ断言します。🙅
ホント、聴かれまくってすべての音溝が擦り切れたレコードなんて、存在しないですよ。
でも、質問してくれたお客さんの上司は、「レコードの溝が擦り切れるまで聴いたな〜」って言ってるワケですよね?じゃあ、それはウソなのか…?
これ、言葉尻だけを捉えると「好きなレコードを何回も再生したら聴きすぎて音溝がなくなった」ってことになりますが、実際にはレコード盤にそんなコトは絶対に起きていません。たぶん、今でも普通に再生できる状態だと思います。
要するにこれ、古くからレコードを聴いている人が頻繁に使う「比喩表現」なんです!
レコードならば、「溝が擦り切れるまで聴いた」。カセットテープなら「テープが伸びるまで聴いた」っていう比喩がよく使われていました。実際にはそんな状態には全然なってないけれど、そんな状態になるんじゃないか…って思うくらい、そのレコードを何回も聴いた、という例えの表現なんです。納得!😉
ダイヤモンドとビニール、どちらが先に摩耗する?
まあ、70年代〜80年代からレコードを聴いていた人からすると、レコード好きがよく使う「あるある」表現なんですけど、レコード世代ではない今の若い人からすると、そのままストレートに受け取っちゃいますよね。レコード世代のおじさんからすると、ちょっと面白い感じがします(笑)。
では、なんでこんな比喩表現が言われるようになったのか…気になりますよね?🤔
これはあくまでワタシの仮説ですが、レコードは音溝をレコード針がトレースするという物理的な方法で曲を再生しています。レコードは塩化ビニール製で、決して硬い物質ではありません。言い換えれば、ちょっとしたことで簡単にキズが入ってしまうくらい柔らかくて脆い材質でできています。
一方、音溝をトレースして再生するレコード針は、なんと人工ダイヤモンドでできています。こちらは、まあまあ硬い成分でできていますよね。
レコード世代の人たちは、レコードを再生する時に誤ってレコード針を「ギャーーーーッ!」ってレコード盤上に滑らせてしまって、レコードにキズを付けてしまった経験がある人が多いんです。
レコード針をレコード盤に滑らせるとキズが付く、ということを経験的に知っているところから、「レコードを再生する度にレコード針がレコードの音溝を傷つけているのではないか?」って思ったのではないでしょうか。
二つの異なる物質をこすり合わせると、柔らかい方が削れますよね?そういったことから「レコードを何回も聴くと音溝がいずれなくなる」=「音溝がなくなるくらいになるまでレコードを聴いた」という表現になったのではないか…とワタシは考えています。どうです?この仮説…💡
本当に気をつけたいのはレコード盤よりも「針」だった!☝️
では、実際はどうなのかというと…
正しくレコードを再生している分に関しては、レコードの音溝よりも先に、レコード針の先端についている人工ダイヤモンドでできたスタイラスチップの方が先に削れて摩耗していくんです!😳
問題なのは、その摩耗したレコード針をそのまま使うことの方。ヘタったレコード針を交換せずに使い続けていると、レコードの音溝の方を傷めてしまうことになるんです。
まあ、そうなってもレコードの音溝がなくなるわけではありませんが、再生した時に音飛びが起きやすくなったり、摩耗したレコード針が音溝にキズを付けてしまい、ノイズが出たりします。😥
なので、気をつけなければいけないのは、レコードの方よりもどちらかというとレコード針の方なんですね!針、大事!✨
ちなみにレコード針の寿命は、一般的におよそ150〜200時間と言われています。毎日1時間レコードを聴いていたとしたら、半年ほどがレコード針の交換時期ということになりますね。🗓️
レコードは長寿!お手入れ次第で50年くらいは全然、聴ける!
一方、レコードの方は、古くなったからといって音が出なくなることはありません。🎶 キチンとクリーニングされていて、良い環境で保管されていたレコードであれば、50年前に作られたレコードでもめちゃくちゃ良いサウンドを奏でてくれますよ!👏
やはり、レコードはどれだけお手入れをしてあげるかによって音質が大きく変わりますね。手に付いた指紋や油脂、ホコリやチリなんかがレコード盤に付いたまま放置すると、カビが発生したり、ホコリでノイズが起きたりして、レコード盤にダメージを与えてしまうので、お手入れは必須です!🧼
結論:レコードの溝は擦り切れない!👍
さあ、まとめです。
レコードの音溝は、擦り切れることはない!
しかし、いつまでも良い音質でレコードを聴きたいのであれば、レコードのお手入れと定期的なレコードの針の交換は必要です。これが、美しい音色を長く楽しむ秘訣ですね!💖
ディスコDJもびっくり⁉️ 長寿レコードの伝説!🕺
当店には、常駐の元ディスコDJだったスタッフがいるのですが、彼曰く「お決まりのCheryl Lynn(シェリル・リン)やEW&F(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の定番ディスコ・ナンバーは、今まで5000回くらいプレイしたっ!」って豪語しています。
「ディスコでそれだけ何回も再生されたレコードでも、音はちゃんと出てたよ!」とのコト。
彼が言うには、それよりもDJプレイのつなぐポイントの部分の音溝は、みんなが同じ箇所でキューイングするものだから、音溝が擦れまくってビートがガサガサに荒れて頭出ししにくかった…って言っていました。
「だけど、曲中の音溝は、まったく問題なかったよ!」って。
まあ、それくらいハードな使い方をされていても音溝がなくなるくらいにはならなかったんですから、たぶんレコードは保管状態が良ければ、50年くらいは余裕で聴けるんじゃないでしょうかね〜!
レコードがダメになることよりも、レコードを所有している人間の方が先に亡くなっちゃうレベルですね(笑)。👴👵
いかがでしたか?これで安心して、心ゆくまでお気に入りのレコードを聴きまくれますね!あなたのレコードライフが、もっと豊かになりますように!🎧✨😊