
Raydio / Get Down
漆黒のグルーヴがカラダを支配する、Raydio流Inst Funkの真髄
Raydioが挑んだ異色のインストゥルメンタルFunk
1978年、Ray Parker Jr.率いるRaydioが放ったこの Get Down は、彼らのイメージをイイ意味で裏切る「インストゥルメンタルFunk」という挑戦的な1曲です。甘くスムースなヴォーカルナンバーで人気を得ていたRaydioが、あえて歌を排し、純度100%のグルーヴだけで勝負したこのトラックは、まさにRaydioの本質を剥き出しにしたような作品と言えますね。一般的にはA Woman Needs LoveやJack And Jillといったヴォーカル曲の印象が強いRaydioですが、その演奏力やグルーヴ・メイカーとしての実力を最もストレートに味わえるのが、このGet Downではないでしょうか。
Ray Parker Jr.が生み出す漆黒のグルーヴ
聴いた瞬間に広がるのは、地を這うようなベースライン…低域でうねりながらもタイトに刻まれるリズムが、まずカラダの芯をロックしてくるっ!その上に重なるのは、黒さを帯びたキーボードのフレーズ…どこか妖しさをカンジさせるその旋律が、楽曲全体に独特の緊張感と色気を与えている。さらにRay Parker Jr.のカッティングギターが加わるコトで、グルーヴは一気に推進力を増し、まさに踊らせるための音楽として完成されていく。構成としてはシンプルでありながら、ブレイクの使い方が絶妙っ!音数を削ぎ落とし、空間を作るコトで、次の展開への期待感を高める展開です。この引き算の美学こそが、70s後期の洗練されたFunk/Discoの魅力であり、DJたちがフロアで重宝した理由でもある。特に後半に差し掛かるギターソロは圧巻で、ソリッドなフレーズがフロアの熱量を一段引き上げます。
DJが愛したPromo Only 12インチの価値
当時のクラブシーンにおいては、ヴォーカル曲のB面に収録されたインストゥルメンタルが、DJにとって隠れた武器となるコトがよくありました。このGet Downもまさにその典型で、ラジオヒットを狙った表のA面とは異なり、フロアでの実用性に特化した1曲だったと言えます。だからこそ、Promo Onlyで12インチが存在するという事実も、この曲の現場仕様としての価値を物語っています。ロング・グルーヴならではの展開はDJにとってミックスしやすく、インストだからこそ他の楽曲とも自在に組み合わせられる懐の深さを持っています。
理屈を超えてグルーヴへ没入するInst Funk
タイトルのGet Downが示す通り、この曲に込められているメッセージは極めてシンプルです。「理屈なんていらない!とにかくカラダを動かせ!」コトバがないからこそ、リスナーは純粋に音と向き合い、自分の感覚だけでグルーヴに没入できる…この体験こそが、インストゥルメンタルFunkの醍醐味だろう。泥臭さと洗練が同居する絶妙なバランス、そしてRay Parker Jr.の卓越したプレイヤビリティが凝縮されたこの1枚。Raydioを歌モノのグループとしてしか捉えていなかった人にこそ、ぜひ体験してほしい。盤面に針を落とせば、その認識は一瞬で覆されるハズです。

