
Billy Lawrence / Up & Down
90s R&B黄金期の幸福感をストレートに鳴らす1曲
胸が跳ねる瞬間をそのまま鳴らしたような、90s R&Bの幸福感MAXチューン。Billy Lawrence の Up & Down は、90年代後半のR&B黄金期が持っていた「明るさ・甘さ・無邪気さ」を、これ以上ないほどピュアな形で封じ込めた1枚です。針を落とした瞬間から、自然と表情が緩むようなポジティブな空気が広がりますね。
Rashad Smithが導いた、間違いないサンプリング選択
プロデュースを手がけたのは Bad Boy 周辺でも腕を振るった Rashad Smith。サンプルに使われているのは、誰が聴いても一発で分かる Change / The Glow of Love。序盤からあのキラキラとしたベースラインとストリングスが軽やかに跳ね、イントロの数小節だけで「これは絶対に気分が上がるヤツだっ!」と確信できる作りになっています。
軽快なビートとBilly Lawrenceの甘いヴォーカル
ビートは軽快で、グルーヴはスムース。その上に乗る Billy Lawrence のカワイイ系ヴォーカルが、これ以上なくフィットしています。彼女の声は決して張り上げるタイプではないのに、ほんのり甘く、耳にスッと入ってくる。その柔らかな質感が、Changeの持つDiscoエレガンスと絶妙に溶け合い、90s R&B特有の「胸キュン感」を最大限に引き出していますね。
恋の高まりをそのまま音にしたラブソング
歌詞は、恋の高まりや揺れ動く気持ちを「Up & Down」と表現した、シンプルで可愛らしいラブソング。難しいメッセージ性を詰め込むのではなく、恋のテンションがそのまま音になったような素直さが魅力で、聴いているだけで前向きなエナジーが自然と伝わってきます。
90sシーンの空気を感じさせる遊び心ある引用
さらに面白いのが、曲中に散りばめられたオマージュの数々です。まず引用されるのは、Old School Disco Rapの名曲 Sugarhill Gang / The Lover in You。このフレーズが絶妙なアクセントになっていて、R&BリスナーだけでなくクラシックDiscoやOld School好きのココロもくすぐります。そしてブレイク部分では、Billy Lawrenceがデビュー間もない頃に参加した Rampage / Take It to the Streets の一節をさりげなく歌い上げるというニクい演出っ! Rashad Smithの遊び心と、90s R&B全盛期ならではのシーンのつながりがカンジられる瞬間ですね。
時代を越えて鳴り続ける幸福感ブースター
リリース当時、この曲はアメリカのR&B/アーバン向けラジオで広くプレイされ、先にヒットした Come On (ft. MC Lyte) と並ぶ人気タイトルとなりました。その後、Janet Jackson / All For You(2001)でも同じ Glow of Love ネタが使われたコトで、2000年代以降のDJたちの間でも「幸福感ブースター」としてミックスされ続ける存在に。キャッチー系R&B、サンプリング・ディスコ、甘めの女性ヴォーカルが好きなら間違いなく刺さる1枚です。レコード棚に1枚置いておけば、気持ちを必ず「上向き」にしてくれる鉄板チューンっ! 針を落とした瞬間、部屋の空気がひとつ明るくなりますね。
1997リリース