Urban Species / Listen (Just Listen) Remix - Acid JazzとNY Houseが交差する知性派グルーヴ

Urban Species / Listen (Just Listen) Remix

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Acid JazzとNY Houseが交差する知性派グルーヴ。


Talkin' Loudが生んだ90年代UKクラブカルチャーの名作

1994年、UK Acid Jazzムーブメントの中心レーベル Talkin' Loud からリリースされた Urban Species の Listen (Just Listen) のレコメンド。その真価をさらに押し広げたのが、NY Houseの巨匠デュオ Masters At Work によるRemixです。オリジナルはダウンテンポなビートにウッドベース、フェンダーローズ系の柔らかなコードが絡むJazzyなトラック。そこへスポークンワード的フロウが静かに差し込まれ、「Just listen…」と繰り返されるメッセージは、「耳を澄ませ、自分の内面と社会の声に向き合え」という90年代らしい知性を宿しています。さらにフランスのMC、MC Solaarのクールなフロウも、ヨーロッパ的な洗練を加える重要なピースとなっています。


Masters At Workが再構築したJazz Houseの美学

しかし、この12インチの真骨頂はA1に収録された Listen (Just Listen) (Louie's Master Mix)。キックが入った瞬間、空気が一変します。4つ打ちでありながら跳ねるJazzフィールのドラム、躍動するベース、ラテンのパーカッション…。ループというよりセッションである。その有機的なグルーヴの上を、ピアノとギターが自然に絡み合い、ブレイクではホーンやコードの余韻がフロアを優しく包み込みます。コレは単なるHouse Remixではないっ! ココには後のNuyorican Soulへと連なる美学が、すでに色濃く息づいています。


ジャンルを越えて機能したDJユースな1枚

当時のUKクラブシーンは、HipHopとJazz、Houseが自由に混ざり合う実験の時代でもありました。DJたちはジャンルを横断し、このトラックを絶妙なブリッジとして機能させるプレイを披露します。HipHopなセットからDeep Houseへ、あるいはAcid Jazzの流れからNYなテイストへ…。現場感覚で語れば、ピーク前のフロアを温め、ジワジワと体温を上げていくタイプのサウンドとなっています。派手なピークチューンとは違い、自然な流れでフロアの空気を変えていく、その絶妙な役割を担える作品だからこそ、多くのDJに支持され続けてきたのでしょうね。


深さで魅せる90年代クラブサウンド

聴けばイントロのパーカッションが空間を開き、キックが腹に落ちる…。中盤のブレイクで一度呼吸を整え、再びビートが戻る瞬間の高揚感は格別で、ハデさではなく深さで魅せるレコードです。今あらためて聴くと、この作品は90年代の知的クラブカルチャーの結晶のようにもカンジます。サンプリング主体のHipHopとは一線を画し、生楽器の温度とストリートの詩情を融合させたUrban Speciesの精神。それをNY Houseのフィルターで再構築したMasters At Workの手腕が冴え渡っています。


フロアでもリスニングでも色褪せない12インチ

フロアでの即効性もありながら、リスニングでも深く沁みる…。そんな二面性を持っているところも、この12インチ最大の魅力でしょう。アナログで再生すると、生楽器が織り成す空気感やパーカッションの立体感、ベースラインの躍動感がより鮮明に伝わってきます。静かに、しかし確実にフロアを支配する1枚…。Acid JazzとNY Houseという二つのカルチャーが美しく交差したこの作品は、コレクションに加える価値は十分の12インチシングルです。まずは「Just listen」――耳を澄ませて聴いてほしい。

 

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